「私は捨てられた~!」

 翡翠ユニットにご入居された上野さん、来られたはなっから「騙されて連れてこられた!家に帰して!家に帰して!」の連発。

「私は、嫁と息子に捨てられた~!」と大声で叫びます。

その挙句、最初の夕食は拒否、いわゆるハンストです。声は大きいけれど、ご本人の体はとても細く小さく、手足の血管は浮きでています。

 次の日、なんだか前日のことを忘れていたように見えたのですが、大柄な息子さんと体形の良く似た機能訓練士の姿を見たとたん、また「家に帰して!家に帰して!」の大音響、大連発。

でも、介護士はとても気長く付き合ってくれています。

 三日目、なんとすっかりこのユニットになじんでおられるご様子。

同室の方とも打ち解けられ、まったりと一緒にラジオの音楽を聴いていらっしゃいます。お食事もおいしいとほとんど完食。

一週間くらいして息子さんがお見えになりましたが、もうまったく平気。息子さんは大感激。

彼はギターを演奏されるそうで、いつかこの施設でもボランティア演奏をしてくださるそうです。