渡り鳥

私が子どものころは秋から冬の初めにかけて、渡り鳥のガンが横一列あるいは縦一列になって編隊を組み、夕焼けの空を飛んでいく姿をよく見かけたものでした。

でもこの頃はあまり見かけることはありません。

 ところで、先日この地域にある特別養護老人ホームの施設長の集まりがありました。

集まりといっても親睦会を兼ねた情報交換会です。そこで、長年施設に勤めて、今は比較的新しい施設を運営されておられる方が「この頃、渡り鳥が増えて困る」とおっしゃるのです。私たちは「エッ?」

 この数年、この地域にも私たちも含め新しい施設がどんどんできています。で、せっかく介護士を採用しても、半年くらいで仲間と一緒に次の新しい施設に移っていく。

そんな人たちを「渡り鳥」と呼んでいるそうです。

 そうですね、やっと慣れていただいたかと思っても、すぐ辞められるととても損失です。

働き手に取っても少しは嫌なことがあっても、続けることのほうが自分のためになると思うのですけれどね。そこで施設が連携して「渡り鳥リスト」でも作りましょうかねという怖い話になった次第です。