優しい嘘

 先日、私たちの建物の玄関に西鉄のバス停を設置していただきました。

 設置の様子を見ていた「ちゃやまえん」の子どもたちは大喜び。「早くバスが来ないかな」とわくわくしています。でも残念でした、これは本当のバス停ではないのです。

 特別養護老人ホームやグループホームに住まわれているお年寄りは、ときどき前のお家がとても恋しくなることがあります。「家に帰りたい」一心でそわそわし、施設の中をあちこち歩き回られます。介護する職員は一緒について回ったり、「帰りたい心」をよそに向けようといろいろ工夫を凝らしますが、それはそれは大変です。

 そこで一計❣ 「そうですね、ではバス停に行って、一緒にバスを待ちましょう」と、バス停の前のベンチに座って楽しいおしゃべりをします。そのうちにお年寄りも「帰りたい心」はどこかに行って落ち着かれ、「さあ、バスも来ないしお部屋に戻りましょう」となっていただくのが、私の魂胆。

 この「優しい嘘」のために、西鉄のみなさまに大変お骨折りいただきました。クリスマスの大きな贈り物です。さて、あとはベンチをどう調達するか、春までに考えましょう。